こんにちは、2020年からeBayで中古フィギュアを輸出している「のぼせもん」です。
2026年7月8日から、アメリカに輸入される消費者製品について、CPSC(米国消費者製品安全委員会)への電子申告(eFiling)が義務化されました。これにより、フィギュアやおもちゃのように「子ども向けかもしれない」商品は、税関でのチェックが以前より厳しくなっています。
この記事では、中古フィギュアをアメリカに送るときに税関で止まらないためのCPSC対策を、私が実際の発送で使っている手順にそって解説します。
この記事の結論
- 12歳以下向けの「子ども向け製品」は、第三者試験にもとづく証明書(CPC)が必要。中古転売では用意できない
- だからこそ、箱に書かれた対象年齢表記を必ず確認する。15歳以上なら大人向けコレクションとして扱える
- HSコードは玩具の9503ではなく、3926.40(プラスチック製の小像)で申告する
- 英語の品名には「AGE 15+」を入れ、「TOY」は使わない
- 箱に12歳以下向けの表記がある商品は、AGE 15+と書いてはいけない。アメリカ向けは見送るのが無難
※この記事は2026年11月時点の情報と、筆者の発送実務にもとづく解説です。最終的な判断は、配送業者や通関業者、CPSCの公式情報で確認してください。
CPSCとeFilingとは?
CPSC(U.S. Consumer Product Safety Commission)は、アメリカで販売される消費者製品の安全を管理する政府機関です。特に12歳以下の子ども向け製品には厳しい規制があり、鉛やフタル酸エステルの基準を満たしていることを第三者機関の試験で証明した「子ども向け製品証明書(CPC:Children’s Product Certificate)」が必要です。
これまでは証明書を「持っていればよい」扱いでしたが、2026年7月8日からは、輸入申告の際に証明書のデータか、「この商品は証明書の対象外です」という申告(Disclaim)を電子的に提出することが求められるようになりました。
少額の荷物も例外ではない
CPSCのeFilingには、少額の荷物を免除する仕組みはありません。800ドル以下の少額免税(de minimis)も現在は停止されているため、中古フィギュア1体の発送でも対象になると考えておく必要があります。
「子ども向け製品」とみなされると何が困るのか
中古フィギュアを転売する個人セラーが、商品ごとに第三者機関の試験を受けて証明書を用意するのは現実的ではありません。そのため、商品が子ども向け製品と判断されると、証明書がない状態で輸入することになり、税関で止まったり、差し止めや罰則の対象になったりするリスクがあります。
報道によると、CPSCは現時点では「証明書データがないことだけを理由に輸入を拒否するつもりはない」としていますが、証明書の義務そのものは引き続き執行し、違反品の差し止めや罰則もありうるとされています。
つまり大事なのは、大人向けの商品を、大人向けだと正しく伝えることです。
税関で止まらないための4つの手順
手順1:箱の対象年齢表記を必ず確認する
最初にやるべきことは、パッケージに書かれた対象年齢の確認です。日本のフィギュアの箱には、裏面や側面に「対象年齢15才以上」などの表記があります。
- 15才以上などの表記 → 大人向けコレクション(アダルトコレクティブル)として扱える根拠になる
- 8才以上・6才以上などの表記やSTマーク → 子ども向けの玩具として作られている
シリーズ名やメーカーで判断するのは危険です。たとえばプライズや一番くじでも、商品によって「対象年齢8才以上」とSTマークが付いているものがあります。実際に、一番くじの景品フィギュアで、箱に「対象年齢8才以上」とSTマークが入っていた例があります。必ず箱そのもの(中古なら出品写真)で確認しましょう。
手順2:HSコードは「3926.40」で申告する
HSコード(品目番号)の選び方も重要です。
| HSコード | 品目 | CPSCの観点 |
|---|---|---|
| 3926.40 (米国 3926.40.0090) | プラスチック製の小像・装飾品 | 大人向けの置物・コレクションとして扱われる |
| 9503.00 | 玩具 | 子ども向け製品と推定されやすく、証明書を求められるリスクが高い |
大人向けのPVCフィギュアは、3926.40で申告するのが基本です。ただし、布の服を着せた人形や植毛のある人形などは3926.40に分類できず、9503に入る場合があります。素材と形状で判断しましょう。
なお、日本製のフィギュアは3926.40でも9503でも、アメリカの関税は実質12.5%で変わりません。関税の計算方法は「アメリカ向け発送の関税はいくら?」で解説しています。
手順3:英語の品名に「AGE 15+」を入れ、「TOY」は使わない
インボイスや送り状に書く英語の品名(商品説明)にも気を配ります。
- 箱の表記が15才以上なら、品名に「AGE 15+」を入れる。メーカーがパッケージに印刷している事実なので、子ども向けではない根拠として最も強い
- 「TOY」という単語は使わない。玩具=子ども向けと受け取られやすい
- 中古品なら「USED」を先頭に付ける
記入例:
USED PVC FIGURE AGE 15+ BANDAI GUNDAM
「USED + カテゴリ(PVC FIGUREなど)+ AGE 15+ + メーカー + 作品名」の順で書くと、税関の担当者にも内容が伝わりやすくなります。
12歳以下向け表記の商品に「AGE 15+」と書くのは絶対にNG
箱に「8才以上」などと書かれている商品に「AGE 15+」と書くと、虚偽の申告になります。このような商品はアメリカ向けの出品を見送るか、アメリカ以外の国に限定して販売するのが安全です。
手順4:配送業者のCPSC申告フォームでDisclaimを選ぶ
FedExなどのクーリエで送る場合、CPSCの対象になりそうな商品には、「CPSC Goods Not Registered」などのフォームで、証明書の対象外であること(Disclaim)を申告することがあります。主な選択肢は次の2つです。
| 区分 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| Disclaim A | CPSCの管轄内だが、証明書を求める規則が適用されない | 大人向けのコレクション品(CPSCのガイダンスに「大人向けのコレクタブルトイ」の例示あり) |
| Disclaim B | 規則は適用されるが、CPSCの執行裁量で証明書が不要とされているもの | 限定的なケースのみ。用途コードは13歳以上向けのみ |
大人向けのフィギュアであれば、一般的にはDisclaim Aを選び、用途コード(Intended Use Code)は「13歳以上向け(130.006)」を使います。Disclaimを選んだ場合、フォームのPart II〜IVは記入不要です。
古い中古品(ヴィンテージ)の場合
CPSCのeFilingに関するFAQでは、適用される規則の発効日より前に製造された中古品には証明書が不要とされています。子ども向け製品の証明書の義務は2008年11月以降に製造されたものが対象のため、それ以前に作られた商品はDisclaim Aが成り立ちます。ただし、製造年の根拠(発売年の資料など)は保管しておきましょう。
中国製フィギュアの場合の注意
日本で売られているフィギュアでも、製造は中国というものが多くあります。中国製の場合は関税の計算が大きく変わり、3926.40で申告すると約42.8%、9503なら約20%になります。CPSCの観点だけで3926.40を選ぶと、関税で大きく損をすることがあります。
中国製で、箱に15才以上や「Not a toy」の表記がある大人向けの商品は、関税の差も考えて分類を検討してください。原産国の考え方は関税の記事で詳しく解説しています。
よくある質問
Q. eBay International ShippingやSpeedPAKで送る場合も関係ありますか?
A. アメリカに輸入される以上、CPSCの規制は適用されます。どの配送方法でも、品名とHSコードを正しく登録することが大切です。具体的な申告の手順は各サービスの案内を確認してください。
Q. 対象年齢の表記がない商品はどうすればいいですか?
A. 表記がない場合は、商品の内容(サイズ、価格帯、ターゲット層、販売方法)から子ども向けかどうかが判断されます。精巧な大人向けの塗装済み完成品であれば大人向けと説明しやすいですが、迷う商品はアメリカ向けを避けるのが無難です。
まとめ
- 2026年7月8日から、CPSCの証明書データか対象外の申告(Disclaim)の電子提出が義務化
- 少額の荷物も対象。中古フィギュア1体でも油断しない
- 箱の対象年齢表記を確認し、15才以上なら大人向けとして扱う
- HSコードは3926.40、品名は「USED PVC FIGURE AGE 15+ …」、TOYは使わない
- 12歳以下向け表記の商品は、アメリカ向けを見送る
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